top of page
梅田みか オフィシャルサイト
Essay エッセイ
ピンクと水色のあいだ
いちばん最初に好きになった色はピンク。24色のサクラクレヨンの中で真っ先に短くなるのは決まって「ももいろ」だった。毎日毎日描いていたおうちの絵の屋根をピンクに塗り、女の子のワンピースをピンクに染め、庭にはかならずピンクのチューリップを咲かせた。
次に好きになったのは水色。はじめて自分で選んだよそゆきの服は、アリスのような水色のエプロンドレスだった。バレエを習っていたときに着ていたレオタードもいつも水色。ピンクが大好きというよりも、ずっと大人っぽいと思っていた。
それから、エメラルドグリーンや、赤や、オレンジや、トルコブルーや、たくさんの色を好きになって、今いちばん好きな色は、うすむらさき。ラベンダーとか、ライラックとか、バイオレットとか呼ばれる色。
このサイトをデザインしてもらったとき、「好きな色とか、イメージカラーはありますか?」と聞かれて、ぱっと浮かんだのがこの色だった。服を合わせるときも、白、黒、ベージュ、グレー、紺などの基本色に、うすむらさきを差し色にするとしっくりくる。
水色の空に、薄いピンクの綿あめのような雲がかかっているのを見つけると、いつまでもじっと見てしまう。だんだんと空と雲が混じって、うすむらさきに暮れてゆく空を見上げながら、ふと自分がいまどうしてここに立っているかを考える。
うすむらさきは、ピンクと水色のあいだ。少女の心と大人の考えを併せ持つ色。いつまでも大人になりきれないわたしにぴったりの色なのかもしれない。
Photo by MUKAI MUNETOSHI
Tags:
バレエ, ピンク, ラベンダー, 水色
bottom of page