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Essay エッセイ

出会った頃のように

出会った頃のように

 恋をしたら、誰もが一度は願うこと。

 いつまでも出会った頃のふたりでいたい。

 あのときのときめきを持ち続けたい。

 あんなにも幸せだったあの日の気持ちを忘れない。

 あまりにも甘い夢なので、みんな酔いしれる。

 本当にそんな奇跡が起きるような気がしてくる。

 何度失敗しても、次こそ、今度こそ、あなたとなら大丈夫だと思ってしまう。

 けれど、その願いが叶うことはない。 

 どれだけ努力をしても、いろいろ工夫をこらしても、どんなに特別なふたりであっても、決してその夢が叶うことはない。

 もし、いつまでも出会った頃のようにいられるとしたら、それは、ふたりの関係が変わっていくことを受け容れたから。

 永遠に変わらないものなど何もないと知っているから。

 輝いた思い出だけでなく、ふたりで重ねた日々をまるごと愛して大切にしているから。

 誰も、出会った頃のふたりのままではいられない。

 けれど、出会った頃のふたりよりも幸せになることはできるのだ。きっと。

Photo by MUKAI MUNETOSHI

Tags:

ときめき, 夢, 奇跡, 恋

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