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梅田みか オフィシャルサイト
Essay エッセイ
私の心も風邪をひく
大好きな人が風邪で寝込んでいると、わたしの心も風邪をひく。
何をしていても頭がぼうっとして、何をしていてもすぐ疲れてしまう。何を食べてもおいしくないし、誰と話しても楽しくない。
あたたかいカーディガンを着てもどこかうすら寒いし、楽しみにしていたフィギュアスケートの試合を見ても、つまらない。太陽が出ても、まるで曇っているみたい。
ふだんは何かにつけて言い合いになったり、自分勝手に腹を立てたり、些細なことで喧嘩したりするのに、そんな何気ない時間から、自分がどれだけのパワーをもらっていたか気づく。
どうしたら早く良くなるだろう。どうしたら早くあの笑顔が見られるだろう。どうしたら早く元気な声が聞けるだろう。どうしたら早く、また一緒に並んで歩けるだろう。
そんなことばかり考えて、夜が更けていく。きっと明日には、大好きな人の風邪は良くなるだろう。わたしの心の風邪も、きっと一緒に治るだろう。
Photo by MUKAI MUNETOSHI
Tags:
カーディガン, フィギュアスケート, 笑顔, 風邪
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