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梅田みか オフィシャルサイト
Essay エッセイ
離れていても
離れていても、あなたと偶然同じ本を読んでいたこと。
同じ映画を観て、同じところで笑い、同じところで涙を流していたこと。
同じ歌の同じフレーズを口ずさんでいたこと。
離れていても、同じ風を頬に受けていたこと。
同じ景色が気に入ったこと。
同じものを食べ、おいしいと感じていたこと。
離れていても、同じ月を見上げていたこと。
同じものを見て、いつか自分もこんな心躍るものをつくりたいと、ひそかに考えていたこと。
好きで好きでたまらないものに出会って、それを早く伝えたいと思っていたこと。
離れていても、同じ日に海へ行ったこと。
同じ道を歩き、ときどき走ってみたこと。
いつか住んでみたいと思ったのが、同じ場所だったこと。
離れていても、あなたとずっとつながっていたこと。
あとになって気づく、こんなうれしいできごとは、どこに何が埋まっているかわからない宝探しのように、わたしの毎日をどこかで一片ずつ幸せにする。
Photo by MUKAI MUNETOSHI
Tags:
宝探し, 映画, 景色, 月, 本, 海, 涙, 風
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